CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






元旦の早朝7時にマンションに着いた。



俺もソナも睡眠不足の目をシバシバさせながらも、ダイニングテーブルでモーニングコーヒータイムだ!



ハワイで出会った元祖XYZのリーさんファミリーから、毎年最上級のコナコーヒーが送られてくる。



ブルマンやキリマンジャロと並んで世界3大コーヒーのコナコーヒーは、苦味が少なく、飲み心地が良い。



酸味控え目で、豊潤な薫りに包まれると、眠気も覚めてきた。



マンションから歩いて2分の処に在る、本郷のゆしま食堂本店の隣に新しくできたパン屋さん、【ビッグパーン】



名前こそ変だが、なかなかどうしてかなり美味いパン屋さんである。



俺もソナも、この店のクロワッサンがお気に入りである。



その早朝焼きたてのクロワッサンを買って帰ってのコーヒータイムなのだ。



「ソナ、少し仮眠とったら実家に挨拶に行こうな!?」



『ハ~イ!

取り敢えずシャワー浴びて寝ましょ!?』



「だね!」



アラームを11時にセットして、二人でベッドにもぐり込んだ。



赤羽岩淵では、林家も実家に家族が集まっていた。



と言っても、テジュンとミリさんの夫婦は、両親が住む実家の隣の敷地内に建てた4LDKの平屋に住んでいるのだが。



テジュンとミリさんも、仮眠をとったようで、スッキリとした顔をしていた。



テジュンの親父さんの弟夫婦も、子供たちと一緒にみえていた。



弟夫婦の子供たちは双子の姉妹で、高校生だった。



ソナには勝てないまでも、二人ともかなり可愛かった。



『チャンスオッパは、初めて会うでしょ!?』



「あぁ!」



『彼女達は、従妹の潤兒(ユナ)と、潤姫(ユニ)。

ユナが一応お姉ちゃんだよ。』



「見分けがつかない‥‥‥‥‥!

スッゴいそっくり。」



『まぁ、一卵性の双生児だからね!

ここの左目の端っこ見て!

お姉ちゃんの左目の端っこには何も無いけど、妹のユニの左目の端っこにはちっちゃなホクロが有るのよ。』



「うわ~ホントだ!

だけど、じっと見ないと分からないよなぁ。」



なんて言いながら、ユニの方に顔をグッと近付けたものだから、ユニが真っ赤な顔をして俯いてしまった。



『オッパ~!

顔、近すぎだよ!

ユニちゃんが真っ赤になっちゃってるよ!

ユニ!

チャンスオッパに惚れちゃダメだかんね!?』



「ソナ姉ちゃん、私‥‥もう‥‥チャンス兄ちゃんに惚れちゃったよ!」



『ダメったらダメ!

チャンスオッパは私のなんだから!』



「スッゴい会話だなぁ!

ソナ、ムキになんないの!

俺は、ソナだけのもんだから。」



『それから、ユナもダメだからね!』



「何をそんなにムキになってるんだい?」



『この双子ちゃん達は、好みが一緒だから、ちゃんと釘刺しとかないと、タッグで来るんだから。』



「そうなのユナちゃん!?」



『///////‥‥』



お姉ちゃんのユナちゃんも、真っ赤な顔をして俯いてしまった。