CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






BLOOMING A NEW ABILITY



PERCEPTION & DETECTION
( 感知 と 探知 )


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俺のアボジ(親父)のプロファイリング能力が外れた事は、今まで一度もない。



そして、アボジ(親父)が極楽鳥と言うので有れば、犯人はザ・キングバードのギタリスト、ロバート・ポールと言う事になる。



彼が関与したのか、彼の周りの人間が勝手に遣ったのか迄は分かっていない。



兎に角、ギターを取り返さないと話しにならない。



俺の特殊能力がバレない様にするために、ジムやABC放送にはそれっぽい話をして、動いて貰っているがあてにはならない。



良くて、あの二人の金髪女性が捕まるくらいが関の山である。



その時まで、無傷でギターを取り戻さなければ!



俺は、もう一度タクシーに乗って、先程のハーレムの教会へと向かった。



赤い扉に残る残留思念を探ってみた。



すると、あの金髪女性の残留思念があった。



そして、ザ・キングバードのギタリスト、ロバート・ポールの残留思念も有った。



俺は、ロバート・ポールと連絡をとるためにエージェントに電話を入れた。



日本で言うところの芸能プロダクションを、アメリカではエージェントと呼ぶ。



会社組織として沢山のタレントを抱えたエージェントも在れば、個人で細々とやっているエージェントも在る。



中には、会計士や税理士、弁護士まで在籍している大手エージェントも存在する。



ザ・キングバードのエージェントの社長は、ロバートの兄で、その他のスタッフ達もそれぞれキングバードのメンバーの妹や弟達である。



彼等は黒人のバンドで、ギタリストのロバートはかなりの腕前で、優勝候補の中にも入っていたが、準決勝戦で敗退したのだ。



ロバートとアポを取って5分後、彼等のエージェントオフィースが入っている雑居ビルに到着した。



何処から誰かがいきなり襲ってくるかも知れないので、封印の指輪を外して警戒網を広げた。



最近使えるようになった力だ。



大体自分を中心として、300m圏内にいる人間の思考が自動的に呼び込めて、悪意の有る思考を持った者が近づけば、どちらの方角からと言うのが瞬時に分かる感知システムのようなものである。



でも、長時間使用する訳にはいかない!



物凄い集中力を必要とし、アッと言う間に体力を消耗して仕舞う、要は、諸刃の剣なのである。



階段をゆっくり昇り、3階の
【キングバード エージェント オフィース】(K.B.E.O.)
の前まで来ると、備え付けのインターフォンのボタンを押した。



数秒の後ソーッとドアが開き、中から、巨体の男が現れた。