「ボディーガードも、ちゃんと後をつけてくれりゃあ良いのに、カフェテリアの辺りで見失うかなぁ~!」
『それでも、ここまでは足取りが分かったんだから助かるよ。
それにしてもあいつら、目付き悪くないか?!』
「ですね!
ちょっと一旦この場所から離れましょうか?
作戦も何も無く、いきなり訳の分からない所に入って行くのは危険過ぎますからね!」
『そうだな。
ユックリ歩いてここから離れよう。』
7番通りとの交差点を左折して、ユックリ歩いて行く。
この辺りは、赤レンガ造りの5階建て以上のアパルトメントが隣接しあう場所だ。
先程から、上の方からも視線を感じている。
ハーレムエリアから、道一本離れた所にあるコーヒーショップに入った。
「さっきカフェテリアの前でたむろしていた連中がいるでしょ?!」
『あぁ、6~7人居たな。』
「何人か拳銃持ってましたよ。
それに、一番端に居た赤いキャップの男は、バタフライナイフをガチャガチャいわせていたし、あのカフェテリアに入るのは難しいですね!」
『こっちも人集めて、大人数で行くのはどうだい?』
「抗争事件が勃発しますよ。」
と、そこへ
『ご注文は?』
「マルゲリータのベーグル2つとエスプレッソダブルで!」
『俺も同じのを!』
「どうするかなぁ………」
『警察に任せておいたんじゃきっと、らちがあかないだろうし!』
「まだ6日有りますから、それまで頑張りましょう。」
『と言っても、どうすりゃ良いんだ?』
「ちょっと私に良い考えが有りますので、任せて頂けますか?」
『どうやるんだい?』
「彼女達の顔写真をテレビで公開して、ギターに懸賞金を掛けます。」
いきなりの懸賞金話に、困惑するジムだった。



