大会23日目 セミファイナル
勝ち進んだ2名は、
明後日のファイナルミッションにて、雌雄を決する!
その2名とは、
前回の優勝者
The Monsters(ザ モンスターズ)のジム フェルナンデス
そして、もう1名
なんと俺が残ったのだった。
ジムは、さすがに前回優勝しただけあって、この大会を知り尽くしていた。
きっちりポイントを稼いでいき、着実にミッションをクリアしていってた。
俺も、頑張って勝ち進み、終に明後日のファイナルにリーチをかけた。
泣いても笑っても、これで最後の戦いになる。
ファイナルミッション当日
午前9時丁度に、館内放送が始まった。
《The subject of the final game is the highest performance made now, and please express yourself in an ax work.》
最終戦の課題は、今できる最高のパフォーマンスで、自分自身をギター演奏にて表現して下さい。
《Net distribution of the image and sound source is carried out for one week from tomorrow, and they are voted and got from a viewing public.》
その映像と音源を、明日から1週間ネット配信して、一般視聴者に投票して貰います。
《The direction which was carrying out pleasing performance is clicked and got from the homepage of Gold Strings.》
Gold Stringsのホームページから、気に入ったパフォーマンスをしていた方をクリックして貰います。
《In addition, a click is possible only once.》
尚、クリックは1回しか出来ません。
俺達は、それぞれのブースに入って行った。
自分のタイミングでスタートして良いと言う。
ブース内には、音響、照明、撮影のスタッフと、アシスタントの4名が俺のために待っていてくれている。
俺は、初めてギターを手にした時から学生時代、XYZの時と、常に素敵な仲間に支えられながらやって来た音楽を、自分の人生と重ね合わせ、メロディを紡いでいった。
出会いや別れ、事故や病気、ライヴや恋愛、家族と仲間、趣味と仕事、それらの出来事や想いは、徐々に弾けていき、気が付けば30分余り演奏していた。
撮影クルーに一礼して、
「お疲れ様でした。」
と言って、ブースを出ていった。
隣のブースを覗いたら、ジムもギターを片付けているところだった。
「ヘーイ、ミスタージム!
奢るから、1杯飲みに行こうよ?」
『ミスターチャンスの奢りかい?!
良いぜ!
戦ってきた戦友だからな!
今日はタップリ飲むぜ♪』
長い戦いが終わり、気の緩んでいた俺達。
この後の大変な出来事に遭遇する事は、今は知るよしも無かった。



