CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






『高 長寿氏(コウ チャンスさん)、今回のミッションはいかがでしたか?

あなたがトップでブースから出てきたんですよ。』



「本当ですか?

皆、時間いっぱい使ってやってるんですね!」



『今回全員苦戦してるみたいですよ。

何といっても、サンバとかチャチャとかルンバなんてダンス音楽も混ざっていましたし、クラシックなんかも2人程カード引いてましたよ。』



「3分間のクラシックですか!?
大変そうですね!」



『でしょう!

チャンスさんは、どうでしたか?』



「こっちもJIVEでしたから、ダンス音楽では有りましたが、JIVE自体は、ダンスを踊るときにはスイングジャズやロックのアレンジが通常使われたりしている分、沢山ヒントがありましたから、どうにかやれました。」



『そうでしたか。

発表は明日の正午だそうですけど、自信の程は?』



「感触は有りますね!

多分大丈夫だと思います。」



『そうですか。

それでは、最後に韓国KSBを観ている視聴者に何かメッセージ頂けますか?』



「はい!

韓国KSBで今回のGold Stringsを観ている視聴者の皆様、こんにちは!

元XYZのギタリスト、チャンスKです。

頑張って優勝したいと思ってます。

皆様も応援、宜しくお願いします。」



『はい、どうもありがとうございました。

元XYZのギタリスト、チャンスKこと、高 長寿氏でした。』



スタッフから携帯電話を返却して貰い、それを受け取ると着信履歴があった。



「あれ?

日本からだ。」



着信履歴をタッチして、こちらからダイレクトにコールする。



「モシモシ、チャンスですが、わざわざアメリカまで電話して来るって、何か有ったんですかアボジ(親父)?」



『あぁ、実はブロークンヘッドの堺皇成が居るだろ?』



「はい、居ますけど。」



『そっちに行ってるうちの撮影クルーを使って、お前と堺とで対談をしてそれを撮影して貰いたい。

勿論、出演依頼とギャラ交渉もお前に任すから!』



「えぇ~ッ!

何でまた?」



『だって、彼の人気は今やうなぎ登りだし、年だってチャンス、お前と同じ年だろ?

何かと話も合うはずだろ。』



「彼の事務所サイドは何て言ってるんですか?」



『事務所って言ったって、社長はSeijiだし、本人さえ良ければどうぞ!だってよ。

一応、彼のマネージャーが同行しているから、ギャラ交渉は彼と遣ってくれるかい?

マネージャーは、真中俊彰(マナカトシアキ)って言う名前だから。

編集ポイントも考えて、30分くらいの対談を宜しく!

クルーに言って、写真も何枚か撮って貰っておけ。

雑誌に掲載するかもしんないからな!』



「分かりました。

取り敢えず頑張って交渉してみます。」



俺は、仕方なく 堺皇成がミッションを終わらしてブースから出てくるのを待った。