「伯父様、韓国で昔ヒットしたヤクソクってカップリングは何が入っていたんですか?」



『ポムル チャプチ マラヨって曲が入っていたよ。』



「ポムル チャプチ マラヨってどういう意味なんですか?」



『格好付けないで!って言う意味だよ。

パンクっぽい曲で、アップテンポだからノリも良いんだよ。

ライブで歌ったら、観客が踊り出すんだから。』



「チャンスオッパ、ポムル チャプチ マラヨ!って曲、知ってるの?」



『モチロンだよ。

今でも時々、アボジ(親父)は機嫌が良いと、鼻歌で歌っているよ。』



「ふ~ん。

聴いてみたいなぁ~♪」



『俺の携帯の中に音源入っているよ。

聴かせてあげるね。』



「やった~!」



♪~~~♪~~~♪~~~♪~~~♪~



懐かしかったのか、アボジ達も口ずさんでいた。



『ポギ ハジ マラヨってどういう意味なの?』



「諦めないで!って言う意味だよ。」



『何か良い感じの曲だよねぇ。

チャンスオッパ、今度生で聴かせてね。

私、この曲がめちゃめちゃ気に入ったから。

それから、歌詞を日本語で教えて欲しいな?』



「良いよ。

だいたい大まかな意味は、

恋が駆け引き? 何言ってんの?
男の子も 女の子も
真っ直ぐぶつかり 掴み取れ
失敗するのは 当たり前
そんなことくらいで 諦めないで
格好付けないで 格好付けないで
好きなら好きと ハッキリ言葉に
格好付けないで 格好付けないで
諦めたら そこでThe end!

って言う感じの曲だよねぇアボジ(親父)?」



『あぁ、これは俺達がデビューするずっと前に、俺の同級生が好きな子になかなか告白出来ずに、落ち込んで諦めかけていたから、そいつへの応援歌として作っていたのを、パブリック的な要素を持たした歌詞に書き換えて、ヤクソクのカップリングに入れたんだよ。』



「伯父様の書く歌詞って、いつも周りの出来事にリンクしてたりするんですか?」



『そうだね!

やっぱり実体験有りきの方が、歌にしたときに感情移入しやすいからね。

メロディーは、その時に自然と降りてきてたなぁ!』



「凄いですね。

それじゃあ、あのTwincle のデビュー曲も、実体験からの歌詞なんですか?」



『あれは、ヨンミちゃん(チャンスのお袋の事)と出会った時の衝撃的な感覚を歌にしてたのを、彼女達用にアレンジして出したんだよ。』



「あなた、恥ずかしいじゃないの。

内緒にしておいてよ。」



『スッゴい!

じゃあ、歌詞に出てくる''輝く私だけの星''って伯母様の事なんだ。』



「ソナ、頼むからそれ以上突っ込んで聞かないでくれ。

両親の恋ばな程聞きたくない物は無いんだから。」



ワイワイガヤガヤと、夜遅くまで懐かしい話で盛る上がっていた。



その頃、日本で大変な事件が起きているとは知らずに。



この事件が、また新たな問題へと発展していったのだ。