ハ秘書に申請書類を委任状と共に渡したら、中身をチェックした後一礼して部屋から出ていった。
その後、スケジュールのチェックをする。
コーヒーを飲みながら商工会のメンバーからのメールに返信したり、各店舗の売り上げをチェックしたりして、気が付けば昼の2時になっていた。
社員食堂に行って、軽く昼食をとってから白川GMのところに顔を出して、新星GTS(カラオケ店)の各店舗の店長を集めて行われる店長会議の日程の打ち合わせをした後、来月の幹部候補生の研修に参加する社員のチェックをする。
兎に角、アボジ(親父)がカムバックしてくるまで、俺も頑張って会社の業務をこなしていく。
そして、今日も夜10時までデスクワークをこなしてから帰宅した。
帰宅したマンションにはソナが来ていて、
『チャンスオッパお帰りなさい!』
満面の笑顔で迎えてくれる。
この瞬間、1日の疲れが一気に吹き飛んでくれる。
「ソナ、来てたんだ。
今日バイト無かったんだね?」
『ううん、総務課の方は今日バイトお休みだったけど、広報課に呼び出されてたから、ソラちゃんと一緒に行ってた。
新しいカラオケ店のポスター撮りだったの。』
「この前はカラオケ大会の案内ポスターの撮影したし、新しくできたクラシックギター教室のポスター撮りもしたし、何かモデル並みに忙しそうだな!」
『そんなこと無いよ。
1ヶ月に3回だけなんて、暇なモデルより暇なんだから。
ところで、伯父様が退院したってソラちゃん言ってたけど、もう良くなったの?』
「まぁ、あとは通院や定期的な検査入院をしながらの内科治療で大丈夫だって言ってたよ。」
今回の件は、一応手術で開腹したら思ってた以上に癌細胞が小さくて、転移してなかったから、すぐに良くなるって皆には話しているのだ。
『そう、本当に良かったね。
この前、ソラちゃんがボロボロ泣いてたから、物凄く心配していたんだよ。』
「良いドクターが居たから、どうにか回復に向かっているんだ。
直に仕事にも復帰するって言ってたけど、まぁ暫くは静養して貰って、その間は俺も頑張ってサポートするつもりだから、やっぱりもうちょっとの間は俺達ものんびり過ごすことが出来なくなっちゃったね。」
『伯父様が病気なんだから仕方ないし、それでもここにいたら毎日会えるから、XYZの時よりもずっと長く居られて寂しく無いもん。』
「ホントに、ソナはワガママ言わない良い子だなぁ。」
『ヘヘヘ、そうですよ、私はワガママ言わない良い妻になって、良い母親になって、良いおばあちゃんになっていくんだから。』
「じゃあ、俺は出来るだけソナに寂しい思いをさせないように、良い男でいなくっちゃな!」
『お願いね。
ところで、晩御飯は食べてきたの?』
「いや、まだだよ。」
『じゃあ、私が端正込めて作ったソルロンタン(雪濃湯)食べる?』
「エッ?
ソナがソルロンタン作ったの?
嘘だ~?」
『エヘッ!
実は、オンマ(ママ)が作ったのをポットに入れて持ってきたの。』
「伯母様、日本に帰って来てるんだ?」
『一昨日帰って来たんだ。
オンマのソルロンタン食べるの初めてでしょ?
とっても美味しいから一緒に食べましょ!』
二人で一緒に食事して、一緒にお風呂に入って、0時に就寝した。
翌朝は7時に起床して、また大変な1日が始まるのであった。



