「細胞の再構築です。」
『細胞の再構築って?
具体的にどういう事をやるんだい?』
「癌細胞を全て除去したあとにやるのでは、体内に無理な状態を長期間強いらなければいけないので、綺麗に除去されたところから順に、臓器の損傷箇所の部分の臓器細胞を速やかに発育するように命令するんです。」
『余計に分からないぞ!
もっと分かりやすく言ってくれるかい?』
「元々、人間には自然治癒能力って言うのが有るでしょ?!」
『あぁ!』
「それを、私の力を使ってスピードアップさせると創造してみて下さい。」
『なるほど!』
「それと平行しながら、抗がん剤の治療をして、あとは定期的に病院で検診を受けて健康管理に気を使って生活していけば、多分あと45年は長生きできますよ。」
『それにしても、今回良くもこんなことを思いついたな?』
「それは、以前、美racle/Ladyのプロデュースをしてほしいって、俺を韓国に呼び出したでしょ? 」
『あぁ、チャンスの力が目覚める時だよな。』
「あの時、ハラボジ(お祖父さん)が、ワシは後もう3年も生きられないから、家の権利書は俺にくれるとか言ってたでしょ?」
『思い出した!
確かにそんなことを言ってたな!』
「あの時、見えたんですよ。
ハラボジ(お祖父さん)のビジョンが。」
『どんなビジョンなんだい?』
「詳しい事は、後でお教えしますが、実は3年後、大体来年ですよ。
ハラボジとアボジが、親子で酒を飲み交わしているのが見えたってことは、アボジもハラボジも元気に生活してるって事ですよね?」
『そうだな。
もし、今回の事が失敗した場合、来年の今頃、呑気に酒なんて飲んでられないもんなぁ。』
「そういうことです。
ですから、最初からアボジ(親父)は助かるって言うのが前提の胃ガンなんですよ。」
『そういう事かぁ‥‥‥‥‥』
「まぁ、一種の賭けですけどね!
まだ、確定していない未来ですから、これからどう変わるか分からないですけど、最善を尽くしていきます。
そして、完治したら、治療を受けていた病院のスタッフからドクターの記憶から、アボジの病気に関しての記憶を削除して完了です。
ですから、設備の整っているけど、余り大きく無い個人病院がいいんですけど、どこか良いところが在ればそちらに通院して内科治療に入る段取りをしたいと思います。」
『分かった。
後で調べてみるよ。』
そして、これからが胃ガンとの本当の闘いが始まるのであった。



