CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






瀬戸先生の説明を聞く限りでは、どうにかなりそうに聞こえてくるが、実際問題そんなに簡単なものではない。



もし仮にリンパ節にまで転移していた場合、絶望的である。



そうこうしていると、ソラ(俺の妹)と一緒にオモニ(お袋)が着替えて病院に戻って来た。



その後、看護師が病室にやって来て、後1時間程で手術室の方に移動しますからと伝えてきた。



「お兄ちゃん、アッパ(パパ)大丈夫なんだよね?

絶対に助かるよね?」



『心配しなくてもアボジ(親父)は強いんだから、心配しなくても必ず元気に治って‥‥‥‥って言いたいけどね‥‥‥‥今回ばかりは神に祈るしかないや!』



「お兄ちゃん!

どうしてよ? アッパ(パパ)何も悪いことしてないのに、どうしてこんな目に‥‥‥‥‥

これから私達どうするのよ?

まだまだアッパ(パパ)には長生きして貰って、親孝行だって、まだ全然出来てないし‥‥‥」



涙をぼろぼろ流しながら、俺の袖をギュッと握り締めたまま、最後は言葉になっていなかった。



俺は妹の頭を撫でてあげながら、



『ソラ、俺だって出来ることなら、代わってあげたいくらいなんだけど、こればっかりはどうにもならないんだよ。

オモニ(お袋)だって我慢しているんだから、兎に角‥‥‥今はアボジ(親父)に1日でも長く少しでも苦しまないようにサポートしてあげなくっちゃ!』



「ヨボ(アナタ)?

具合はいかがですか?

痛いところはないですか!」



と言いながら、アボジ(親父)の背中をさすってあげていた。



『ヨンミちゃん、ありがとー。

背中擦ってくれただけで、物凄く楽になるよ。

ちょっと横になって良いかな?

悪いけど、暫く寝させて貰うよ。

昨日いろいろ考え事をしてたから、眠くなっちゃった。』



なんて嘘吹いている。



昨晩は、痛みが酷くてまともに寝れなかったんだし、今は病気が体を眠らそうとしているのだ。