『あれ?
アボジ(親父)どうしたんですか?
韓国の本社に居たんじゃ?』
「今さっき成田に着いて、ヨンミちゃん(チャンスの母親)に電話したら、皆が来ているって言うから、一緒に食事しようと思ってな!」
『大丈夫なんですか?
来月10日に入社式が有るんでしょ?』
「あんなのは、副社長に任せておけば良いんだよ!
俺は、日本支社の方が楽しいしな!」
『酷いなぁ!
副社長って自分の従弟なのに、何でもかんでも仕事押し付けちゃって。』
「あいつは、いつも楽しようとばかり考えて、楽隠居させろなんて言うから、逆に仕事させて、仕事の楽しさを教えてやってるんだよ。」
「むちゃくちゃ言ってるし。」
『それはそうと、皆、卒業おめでとう!
取り敢えず、李支社長から聞いたけど明日がXYZ最後の活動なんだって?
じゃあ、契約解除の手続きしないといけないな!
明後日、昼過ぎに会社に集合しておいてくれるかな?』
全員「ハイ!」
『KYU、ホンジャド ケンチャナヨ?(1人でも大丈夫だな?)』
「ハイ!
頑張ります。」
『白井ケント君は、いつからフランスに留学するんだい?』
「はい。
4月の頭には、向こうに行くつもりです。
父親の友人が、パリでレストランをやっているので、そこからスタートさせるつもりです。
まずは住むところを探さなきゃです。」
『大変だね!
でも、まぁ遣れるだけの努力は遣って、一流のシェフになったら俺に旨いもん食わしてくれよ。』
「ハイ!」
『森本ジョージ君は、呉服屋を継ぐんだろう?』
「それがぁ、まぁ姉が着付けの先生と結婚して跡をとるそうなんで、私はレンタルブティックみたいに、着物のレンタルブティックのお店をやろうかなぁなんて思案中なんです。
貸衣裳屋さんって感じじゃなく、あくまでもブティックって雰囲気のお店です。」
『着物だけなのかい?』
「実は、レンタルの着物部門とは別にウェディングプランナー部門として、ウェディングに関するトータルコーディネートが出来るお店をやろうと思っているんです。」
『具体的には?』
「髪結い、着付け、撮影、引き出物、式場案内、ボディアートからネイルアートまでとにかく頭のてっぺんから爪の先までを、提携した数店のショップとの合同システムを考えているんです。
勿論、男性(新郎)にもご利用出来るお店です。」
『マリアージュモリモトって感じだね!』
「ハイ!
まさにそれです。
いずれは、小さな結婚祝賀会なら、ケントん家のオルタンシアをご案内出来るような流れを作りたいって思ってます。」
『ジョージって、結構考えてるんだなぁ!って感心する以上に、あぁジョージって普通にしゃべれるんだ!って感心してしまったよ。』
「ひどいのら~!」