XYZ最後のアルバム



タイトルは



【Glad Grow Grad】


ジャケットは、

KYUがマイクを握り

俺はギターをかかえ

ケントはコックコートを着て

ジョージは着流し姿

テジュンはスーツ姿

で後ろに向き、顔だけ前に振り返って写っている。


これは、後ろ向きって言うか今いる場所から、それぞれの未来の道に向かって歩き出しているのをイメージしたものだ。


今回は全て新曲で、6曲は俺の作詞作曲である。


後は、皆が1曲すつ作詞作曲して、全10曲入りのアルバムである。


このアルバムは、別れと出会いをコンセプトに作成されたコンピレーションアルバムである。


このコンピアルバムは、1,500円で発売するそうだ。


レコーディングも終わり、ファイナル ライヴも終わり、いよいよ今日は卒業式である。


桧山マネージャーの上手いスケジュール調整のお陰で、どうにか卒業式に参加出来ることになった。


本当は、今日は朝から取材とテレビ出演が入っていたのだが、先方には卒業式の写真を提供するってことで明日に回して貰ったのだ。


『KYU、4月から1人で歌うの大丈夫か?』


「多分‥‥‥‥

本当はめちゃくちゃ寂しいです。


いつまでも一緒に出来たら嬉しいのですが、ダメですよね‥‥‥」


『大丈夫なのら!

KYUは、スンゴイ成長したから、これからは1人でも頑張れるじょ!』


「チャンスもいるんだから。」


『俺のドラムが無いと物足りないって思うかも知んないけど、これからは色んな人の演奏で歌ったり、打ち込みの音源で歌うこともあるけど、KYUの歌声なら心配無いから!

本当のトップ歌手になって、ソラちゃんと結婚するんだぞ!』


「皆さん、ありがとうございます。」


『それじゃ、卒業式に行ってくるから。

お昼前には終わるから!

後で皆で仁寺洞(インサドン=チャンスの母親の実家の韓国料理専門店)で打ち上げしようぜ!』


「分かりました。

それでは、本郷スタジオで待っています。」


俺の運転する車に皆で乗り込み、江東区有明に在る有明コロシアムに向かった。


結構道が空いていて、案外早く到着した。


車を停めて中に入ると、まだ数十人程しか集まっていなかった。


俺は、黒地に銀色の糸を織り込んだシックでシンプルなスーツに身を包んでいる。


式典も滞りなく終わり、KYUと合流した。


仁寺洞に行けば、そこには春休み中のソナとソラ、それにヒカルちゃんもナナちゃんも来ていた。


ミリちゃんも、この日のために1ヶ月も前から有給休暇を入れていた。


10人で2階のお座敷で料理が出て来るのを待っていたら、突然アボジ(親父)が遣ってきた。