俺は今、アボジ(親父)に呼び出されて、新宿に在る新星MUSIC 日本支社にきていた。


『チャンス、今回の山崎幸次郎の事故なんだが、どうやら故意に仕組まれた事故だと警察は言ってたんだ。』


「ニュースでも、そのような事をいってました。」


『今回の事故に見せかけた事件なんだが、それがジェームス事務所の市村巧己を狙ったものなのか、それとも山崎幸次郎を狙ったものなのか、それを調べてくれないか?

勿論、誰が何の目的でやったかもだ!』


「分かりました。

落下してきた照明機材は、今どこに有るのですか?」


『あれは、一応証拠品として、警察が押収していったそうだ。』


「そうでしょうね。

それでは、撮影所に残っている残留思念から探ってみます。

アッ、それからアボジ(親父)、木村郁美アナなんですが、しばらく休みを取らせて貰いたいのですが、アナウンス部に連絡して調整して頂けますか?」


『木村アナ?

イクチャンね!

良いけど、どうしてだい?』


「知らないんですか?

木村アナは、山崎幸次郎さんの事が大好きで、山崎さんも木村アナの事を大切に思っている仲なんですよ。」


『そうなのかい?

気が付かなかった。』


「今回の事故で、木村アナが仕事の時間以外ずっと病院に居て、殆ど寝ていないんですよ。」


『分かった!

取り敢えず、1週間の間、彼女はや休まして、山崎の付き添いに回しておくよ。』


「ありがとうございますアボジ(親父)。」


『それから、事件性が高いから、くれぐれも気を引き締めて調査する事!

危険だと感じたら、直ちに手を引くように。

いいね?』


「分かりました。

それでは、ジェームス事務所の市村巧己を庇っての怪我なので、市村巧己の周辺にも探りを入れておきます。」


『取り敢えず、ジェームス事務所の方には、俺からも電話入れておくから、チャンスも会社の常務として一度あっちの事務所に行っておいてくれ。

何か分かるかもしれないから。』


「そうですね。

早速、明日にでも伺いますので、向こうの都合の良い時間を聞いておいて下さい。」


『分かった。』


「それじゃあ失礼します。」


『あぁ、気をつけてな!』


「分かりました。」


そして、この後XYZ として取材を受けてから、ひまわりテレビに向かった。

そして、レギュラー番組の収録が終わると、本日の仕事は終了である。


皆と別れて、俺は一人都内にある撮影所へと向かった。


時刻は既に深夜1時を回っていた。