何か、だんだんと怪しげな方向に話が向いてきたけど、嫌な予感がするぜ!


考え事をしていたら、急にジョージが小声で、


『アッ、チャンス!

鶴海秀夫って、一時期モデルのMJとも噂になってたよ~ん!』


「MJっていったら、KYUのPV(プロモーションビデオ)で以前参加してくれたフィリピンハーフのモデルだよな!」


『そうだよ~ん!

彼女、インタビューでは否定してたけど、実際には付き合ってたよ~ん!

うちの呉服屋にも一緒に来たことあるろ!

だから、おいら知ってるんだじぇ!』


「そっかぁ!

教授!

この件、ちょっと調べてみます。

7月の最初の日曜日なら、まだ20日有りますから、それまでに彼の事で何か分かりましたら連絡します。

…ので、……単位の方は、出席率は重視しないで欲しいんですが…

なかなか仕事の方も忙しくて…」


『分かった分かった!

高山君と森本君は、心配しないでもちゃんと単位あげるから。

試験の点数だって問題ないし。

多少の出席率の悪さは充分カバーされてるよ。』


「ありがとうございます。

それでは、早急に調べてみます。」


と言って、お辞儀して研究室を後にした。


教育学部の休憩室、通称ラウンジにジョージと2人。


『チャンス、藤本教授の娘さんの写真ってある?』


「写真は無いけどの《TIA AKINA》でググったら携帯でも調べられるよ。」


『ほんとら!

でてきたのら!

あれ? 彼女どっかで見たことあるじょ!』


「マジで?

どこで見たんだ?」


『う~ん!

思い出せない……

確かに見覚え有るんだけどなぁ…』


「もしかして、呉服屋のお客さんだったとか?!」


『お客さん…

アッ、思い出した!

彼女、以前浴衣でグラビア撮影があって、うちに作りに来た事があるじょ!

丁度、採寸が終わってお茶してる時に会ったのだ!

瞬間的だったけど、あの時グアムかサイパンでの仕事から帰って来たばかりで小麦色に焼けていたから覚えているのら!

この携帯の画像は、色が白いからわからなかったのら!』


「ハハハ…

なるほどね!

ジョージは、小麦色の女性がタイプなんだもんなぁ。」


『そうなんだなぁー!』


「とりあえず、一度鶴海秀夫に会っておくか!」


『俺も一緒に行くじょ!』