「スイッチですか!?
それをどうすれば良いのですか!?」
『自分の中に作ったスイッチをON・OFFする事に寄って、雑音や観る必要の無いビジョンを消して仕舞うんだよ。
その遣り方は、一番自分のイメージし易いスイッチにすれば、きっと効果が得られるはずだから。
チャンス、例えばギターのミュートや弦の開放をイメージしてみたらどうだ!?
小さい頃から、ギターを弾き続けてきたんだから、効果有るんじゃないか!?』
「分かりました。
やってみます。」
と言って、心の中で
《ミュート》
と念じながら、頭の中にイメージしてある弦にミュートをかけた。
と、その瞬間に、さっきまでうるさかった雑音がピタッと止んだ。
「アボジ、収まりました。」
『そうだろ!
俺も若い頃、それで雑音やビジョンを消したんだ。
まぁ、俺の場合はマイクのスイッチをイメージしてやったんだけどな!』
「次は、何をすれば良いのですか!?」
『今日は、ひたすらスイッチのON・OFFをイメージして、スムーズに出来るように訓練しておけ。
それが出来れば、次は俺とじいさんのビジョンを観る特訓をやるから。
それじゃあ、適当な時間に寝て、また明日な!』
~♪~♪~♪~♪~
朝方4時頃まで、スイッチのON・OFFをイメージして、いつの間にか寝て仕舞っていた。
目が覚めたら、朝9時を過ぎていた。
ベッドの横に備え付けられているボタンを押して、起きた事を知らせた。
アボジが、朝食を持ってきてくれたので、それを食べてから、再び祭壇の前に座り、精神の集中をした。
頭の中で
《開放》
と言いながら、ギターのネックから手を離すイメージをしても、もう雑音や話し声は聞こえて来なかった。
その状態まま、サイドテーブルの上に置いてある俺とソナの2ショット写真を手に取って眺めていた。
《今日の誕生日は、ソナと一緒に過ごしたかったなぁ…。》
なんて考えていたら、突然頭の中に写真を撮った時の場所が広がっていった。
《…今のは、確か…3ヶ月前のソナの誕生日に、写真を撮った横浜の‥‥‥‥。》
そっかぁ!
物の持つ記憶か!
見れるんだ!
あの時の、ソナの笑い声まで聴こえてるや!
じゃあ、これはどうかなぁ……。