在韓中国領事館に身を潜めていた青紅会のボスと幹部達は、深夜になってから車に乗り込み、港へと向かって行った。


そこは、ソウル市内から西北へ40キロ程で仁川広域市(インチョンこういきし)に在る。


黄海に面した韓国を代表する港湾都市の港の一角に、洙叡丸は停泊している。

仁川広域市の中に在る中華街の中にも勿論、青紅会の息のかかった組織が存在し、密航の手配を整えていたのだった。


外交官ナンバーを付けたリムジンが3台、静かに止まり中から10人の男達が、周りを警戒しながら足早に洙叡丸の中へと消えて行った。


それから一週間が経った。


色々と懸念材料は残るものの、あの後直ぐに日本に戻らなくては成らないので、急いで帰国して、毎日忙しくスケジュールをこなしている。


韓国での出来事は、大ニュースとして日本でも取り上げられているが、正確な事は何も分からないままになっていた。


しかし、BSアジアニュースチャンネルでは、香港のマフィア組織同士のイザコザが起き、その中心に居る組織が韓国での事件と関わっているのではとの情報が流れ、その後香港の各所で抗争事件が次々と勃発していると連日放送されていた。


新星MUSICの株も、予想通り大量に売りに出て、新星MUSICの株価は一時2000ウォンまで下落したが、その後本社でアボジ(親父)が買いに奔走して、従来の42000ウォンまで回復した。


お陰で、アボジの保有株数は、全体の58%となり、アボジが株を売らない限りは、よっぽどの事が無い限り安心である。


それに、あの後直ぐにアボジは香港へと向かい、小さいながらもクリーンな活動をしている芸能プロダクション数社と契約を交わしたそうだ。


香港の中でくすぶっている逸材を、新星MUSICが韓国や日本で紹介していき、多国籍なユニットも組んだりして、音楽の幅を広げていくのが目的であり、いずれは中国本土での活動も視野に入れているそうだ。


そして、さらに二週間後、美racle/Ladyの3枚目のマキシシングルの発売日が遣ってきた。


(チンチャ テーバック!)

日本語の邦題は、(マジ 最高!)

(ムグンファ コッチ)

日本語の邦題は、(ムクゲの花)

の4曲入りで1000円である。