青紅会が香港から中国本土に勢力を拡大して、今度は、韓国から日本へとその矛先を向けてきている。


そんな裏の話をしている内に、車は新星MUSIC本社に到着した。


アボジ(親父)と合流して、社長室で先程迄の大まかに見えてきたアウトラインを説明して、今後の対策を考えている。


『チャンス、お前の力でどうにかなりそうか!?』


「大丈夫だとはおもいますが、どうにかするにしても相手の事をもっと知る必要は有りますねアボジ(親父)。」


『だからといって余り危険な事はしないでくれよ!

何かあったらヨンミちゃんに顔向け出来ないからなぁ。』


「心配しないで下さい!

いざという時には、力をフル活用してでも切り抜けてみせます。」


そこへ、先程迄一緒にいた金氏が入って来た。


コンコン!!


『はい! どうぞ!!』


『失礼します。

高社長、チャンスさん!

先程、青紅会の韓国事務所を見張らせている私の仲間から連絡が入ってきまして、SEMコーポレーションのバックに付いてるヤンウイ派の韓国マフィアと青紅会が接触したそうです。』


「一体どういう事だ!?」


『間違い無く、新星MUSIC乗っ取りを目論んでいるのが青紅会で、裏で手を貸しているのがSEMコーポレーションだと言う事です。

今回の新星MUSICの株を買い漁っているのが、青紅会だと100%確証が無かったので彼らの動向をチェックしていたんです。

そうしたら、SEMコーポレーションの社長と青紅会の王会長が、ヒルトンホテルで密会していたのです。

今回の乗っ取りに成功すれば、SEMコーポレーションにとってもプラスになる事がたくさんありますから。』


「そうだよな!

それじゃあ、間違い無く彼等の仕業と言う事が分かったんだから、こちらからも仕掛けていきますね!

金氏、情報有り難う御座いました。

謝礼は十分させて頂きますので、うちのアボジ(親父)から受け取って下さい。

アボジ(親父)、支払いは任せましたので!

後は任せて下さい。

きっちり肩を付けて来ますから!」


と言って、俺は社長室を後にした。