CHANCE 2 (後編) =Turbulence=






「そりゃあ、そんな事になって仕舞ったら大変だぞ!」



『でも、麻薬で儲けた巨大な富を持つ中国マフィアと、在韓華僑にパイプが出来た今、悠長に構えている訳にはいかないですよ!

無理をしてでも新星musicの株を買い漁って来ると予想されます。

株主総会までに過半数の株を手にされたらアウトですよ!』


「まぁ過半数を手に入れようと思ったら、9800億ウォン以上必要になって来るから、すぐには大丈夫だろうけど、もし株主達を脅して委任状でも集められたらマジでヤバいだろうな!

金氏、青紅(チンホン)マフィアについて、もっと詳しい情報が欲しいんだが…!」


『元々は、香港マフィアの青の組織と紅の組織が2大勢力として抗争を続けていたんだが、どちらのボスも高齢で、香港が中国本土に返還されたのを機に、引退してどちらも自分達の子供に組織を継承させたんです。

じつは、青の組織の息子と紅の組織の娘が恋仲で、組織を1つに統合して仕舞った事が、事の発端なんです。

青の新しいボスの王青龍という男、頭が良くて度胸も腕っ節も強いんですが、とにかく女に甘いんですよ。』


「どこの国でも、同じ様な事があるんだな…」


『まぁそんな感じです。

話を戻しますけど、紅の組織の娘、陳紅華っていうのがある意味凄い女性で、若い頃は飛びっきりの美人だったんですが、とにかく博打が好きで、天才的なカンで負け知らずだそうです。

おまけにケンカの腕っ節も男勝りだそうです。』


「そんな二人が手を組んだ訳だな!」


『そうです。

今から15年前の正月、二人は入籍して事実上香港は彼らが手に入れたようなもんです。

そして、組織名を青紅会(チンホン会)として、本土の中国共産党の組織と手を組んだそうです。』


「本土には、中国国民党と手を組んでいる14Kとか5万人以上の組織構成員がいるし、大陸派との派閥が激しいから、いくらチンホン会と言えども大きな顔は出来ないだろうな!」


『それもあって、韓国から日本への進出を目論んでいるんでしょう!』


「もしそれが実現して仕舞ったら、日本国内はヘロインが大量に入ってしまうし、日本国内の華僑の横暴も今以上にヒートアップして仕舞います。」