翌日、韓国から国際電話が入ってきた。


俺のアボジ(親父)からである。


直ぐにどうこうなる訳ではないが、このまま放って置いたら、かなりヤバいくらいには危険な状態だそうだ。


間違い無く、我が社を乗っ取るつもりでの株の買い占めが行われている。


誰の仕業かは、未だ判っていないそうで、この件を解決して欲しいと、頼まれたのだ。


勿論、俺の会社でもあるわけだから、放っておく訳にはいかない。


その日の内に韓国へと向かった。


仁川空港からソウル市内に向かい、車が猛スピードで走っている!


運転しているのは、テギル(大吉)君だ。


偶々、新星プロダクションの本社ビルに出前にきたら、(良いところに来た!)って俺のアボジ(親父)に捕まって、仁川空港まで俺を迎えに行ってくれないか?って頼まれたそうだ。


テギルも、仕事中なんだから断れば良いのに、俺に会いたいからって、二つ返事で引き受けたそうだ。


会社に着いたら、テギルは(じゃあ後で!今俺仕事中だから!)って、俺を降ろしたら、慌てて帰って行った。


そんなに慌てるなら、引き受けなきゃ良いのに・・・・・!


エレベーターで最上階にある社長室に入って、現在アボジ(親父)と二人で話し合い中だ。


「アボジ(親父)、誰が買い占めているのか、全く見当がつかないんですか!?」


『あぁ、そうなんだ!

最初は、SEM(ソウル・エンターテイメントミュージック)コーポレーションの仕業かとも考えていたんだが、どうやら彼等の仕業じゃあ無いんだ!』


「いくらKOSDAQ(韓国の証券市場)に上場している韓国最大手のプロダクションとは言え、映画を作ったり大河ドラマも作っている上に、多角的な経営をしていますから、お金は廻せても株の買い占めに注ぎ込む余裕は無いはずですからね!」


『良く判っているじゃないか!』


「私も経営の勉強をしていますから。


我が社の理事の中には、怪しい動きをしている人は居ないんでしょうか!?」


『理事会で全員招集して見てみたけど、裏切り行為をしているビジョンは
無かったよ。』