次の日、お母さんは 家を出ていった。 うちは、見えなくなるまで お母さんの背中を見つめていた。 「バイバイ……」 ボソッと吐いた言葉が やけにむなしく聞こえる。 うちは、寂しい心をまぎらわすため、気晴らしに本屋に向かった。 人通りは少なく 町は静かだった。