三月は、必死だった。
なぜなら、三月の腕の中には9ヶ月の仔犬がいたからだ。
そのため、自分の足の激痛よりも、大きな揺れで、落ちたり、割れたりするものから仔犬を守ることに必死だった。
揺れがおさまると、三月は、仔犬をかばったまま、痛みで意識を失っていった。