受話器の奥はもの凄く静かで雑音一つなかった。


「おまえ今どこにいるんだ!」


「あぁ、昨日も言ったけど彼女さん・・・いや、元彼女さんにえさを与えに倉庫にきてるの」


「美樹は・・・!美樹の声を聞かせろ!!」


「ちょっと待ってねー」


数秒たって小さな声が聞こえた。


「はる・・・か・・・」


その声は何時(いつ)になく震えていた。


「美樹!!大丈夫か?寒くないか?」


「はるか・・・・・・さむいよぉ・・・・」


ガチガチと歯が鳴っている音が聞こえる。



「たす・・・けて・・・よ・・・・」


「早いうちにそこの場所を捉えてすぐ助けにいく!


だからもう少し待ってろ!!」


「まてな・・・いよ・・・」


「はい、そろそろいーい?」


突然歩夢の声に変わった。



「美樹に何かしたら絶対許さんからな!」


「だから遥夏があたしに満足させることができたら何もしないって」