ピンポーン。


私は椿くんにもらった住所の紙を見ながら本当にここで合っているか確かめた。


ドアの前にHASHIMURAとローマ字で書かれていた。




「お！来た来た！入れよ！」



インターホンからではなく、2回の窓から椿くんたちが顔を覗かせて言った。


「あと私だけだったんだ･･･。お邪魔します。」



そっと椿くんの家のドアを開けて2回への階段を昇っていった。


上がってすぐの部屋の扉を開けると、そこには3人の姿があった。



3人の手にはトランプが握られてあった。


「遅かったじゃない、待ちくたびれたー。


椿ジュースちょうだい！」


「あーもう皆の分持ってくるからちょい待ってろ！」



椿くんはめんどくさそうに立ち上がり私のほうへ近づいてきた。


「そこらてきとーに座っとけ。」


「お邪魔します･･･。」



縮こまりながら私は小さく言った。


「礼儀がしっかりしてるんだね、千尋ちゃん。」



遙夏くんが笑顔で言った。