椿は前方をしっかりと見て真剣な顔をしていた。


私はごくっと唾を飲んだ。


遥夏が歩き出す。

それに続いて椿も歩き出す。


「・・・っ」


2人の背に声を掛けようと手を伸ばす。


が、遥夏の表情を見て私はその手を退いた。


遥夏の表情は強張っており、森の奥深くを睨みつけるような眼差しだった。


私はもう一度うしろを振り返る。



まるで学校が救いの手を差し伸べるように私の気持ちを和らげる。


だが私は目をつぶり、唇を噛み締めて彼たちの背中を追いかけた。

大丈夫・・・


大丈夫・・・怖くない・・・