「おっ来た来た。買えたかバナナ蒸しパン」
「売り切れだった。から代わりにチョコチップ蒸しパンとレーズン蒸しパン…と」
「なんやねんそのぶつぶつ攻め」「それから…桜蒸しパン」
「桜蒸しパン?」
「初めて聞くね」
「新作らしい」
「バナナ蒸しパンがなかったからってくれたんだ」
「マジ?ラッキー」
「なぁホントにかおりさんに見覚えねーの?」
「ねーよ。なにを根拠にんなこと言うんだ?」
「なになに?かおりさんって誰や?チェリーのコレか」
「小指たてんな昭和のリーマン」「かおりさんって購買のパン屋のかおりさん?」
「あーっ知ってる。可愛らしい感じの美人さんだよね」
「へぇ可愛いんか?やっぱコレ?」
「ちげーよ」
「でもかおりさんどうしたの?」「桜蒸しパン、その、なんだっけ?かおりさん?がくれたんだよ」「そう!しかもかおりさんチェリーの名前知ってたんだよ。そのうえ顔真っ赤だったし。うん。ありゃ絶対惚れてる!」
「ついにチェリーもチェリー卒業か!?」
「馬鹿か」
「で実際のとこどうなの?チェリー的にかおりさんは」
「どうなのってなにがだよ」
「アリなのナシなの?」
「んなさっきあったばっかの女にアリもナシもねぇだろ」
「つまんないなァチェリーは」
「チェリーは男前で硬派なとこがいいところだけど硬派過ぎるところが玉にきずなんだよねー」
「うっせー」
「ったく認めちまえよアリなんだろ?」
「未来のコレか」
「…黙りやがれ」

他人の春には首を突っ込みたくなるお年頃が五人。