森本が沢田と話しているのが見える。二人とも笑っている。……………笑ってる?あんなに仲良かったっけ?女って不思議だ。仲が悪いんかと思ったら良かったりして。いや、女も男も同じかな。
「おい、宏樹。」
「は~いよ?ネズじゃん?なんだよ~う?」
クラスの不思議系男子、金桷純。通称ネズが俺に用?珍しいこともあるもんだ。俺が一方的に構うことがあるぐらいで、あんまり話したことがないし、興味ない。
「お前本当にいつもテンション高いなぁ。あのさぁ、なんで森本だけいっつも名字で呼ぶんだ?」
「森本さんだけじゃなくて山本も名字だし?」
「いや、間違えた。なんで森本だけさん付けなんだ?」
……………それは、
「由香が好きだから。」
「え?もう一回言ってくれないか?周りが五月蝿すぎて聞こえなかった。」
そりゃそうだろ、聞こえないように言ったんだから。
「えっとね、森本さんと親しくなりたくないんだ。だからだよ。」

