「宏樹のアホ、ばか野郎、邪魔すんなよ。ブサイク、変態、いらじ、おたんこなす。」
森本がずっとぐちぐち言われてる俺、可哀想かも。しかし、このまま黙って言い返さない前田宏樹君でもないんだよ。
「森本さぁん、そんなこと言ってたら空気悪くなるよ?スマイル、スマイル。」
「うざ。きも。消えて。空気が悪くなる?みんな自分たちの世界に入って聞いてもないじゃん。」
確かに、沢田が気にしてこっちをチラチラ見るぐらいだ。誰も俺たちのことなんて気にしてない。
「宮城君と仲良くなれるチャンスだったのに。前からガード固いのよねぇ。なんかさぁ、素直そうに見えて…実は裏ではみんなを裏切ってるような気が………」
森本の口を手のひらで押さえた。
「ふざけんなよ、不細工が。裕紀のことそんな風に思ってんじゃねぇよ。化粧濃くすれば可愛いって思ってんのか?くそヤリマンが。」
周りには聞こえてないだろうけども、山本の耳元で話す。裕紀をそんな風に思うな。あつは俺の中の太陽なんだ、俺の中の絶対なんだ。

