それから、俺は宏樹と公園のベンチで話すことにした。


「お前さぁ、山本は俺が思ってるような子じゃないって言ったよな?」

「あぁ、言った。」

「知ってたのか?」

「まぁね。」


宏樹はそう言って立ち上がり、自動販売機の所に歩き出した。


「ふ~ん。」

「言わなくて悪い。」

「いいよ。」


何か2本買っているようだ。そのうちの1本を俺に向けて投げてきた。俺は反射的に受けとる。


「ナイスキャッチ。」


そう言って笑う。俺がキャッチしたのはリンゴジュースだった。宏樹の手の中にはオレンジジュースがある。