虹色の三日間


「分かりやすいねぇ。宮城君こそ素直で純粋だよね。助けるって何から?私の考え?捨てられた私を思って手を差しのべてるつもり?どうせ、私なんか忘れて別に好きな人はできる。」


彼女を直視をすることができない。俺は彼女を何から助けるんだ?今さら考えるな。彼女のその考えから、状況から、彼女を助けるんだ。


「悲劇のヒロイン?はは、そんなのみんな思ってるよ。自分だけ特別?笑えるよね。」


窓の方に向けてゆっくり歩き出した。


「私は自分を特別だなんて思ったことはない、悲劇のヒロインだともね。宮城君こそ私のこと悲劇のヒロインだと思ってるんじゃないの?私が親に捨てられたって言ったら、すごく可哀想だと思ったでしょ?特別に不幸だと。」


窓を開けた。彼女の髪がなびいている。その横顔が、夕日について話したときの顔と同じだ。

「否定しないし、図星なんだ。……今の状況が悲しいだなんて思ってもない、長い人生の中でおこった一つのできごとでしょ?自分に価値がないと思うのは親に捨てられたからって何回も言ったでしょ?5才のときよ。記憶もあいまいだけど。この世の中は差別社会だもの、代えのきかない人もいれば、いくらでも代えがきく人間もいる。」