「自分だけが酷い思いをしてるとか思ってるのか?みんな一人一人何か不安を抱えてるんだ。嘘で固められた?真っ黒な友達?何だよそれ!人を信じれてないだけだろ?」
ゆっくりこっちを振り向く。
「君は、山本がそうなったのは親に捨てられたからか?きっと理由があったはずだろ?詳しいことは知らないけどさ。自分に価値がないとか言うなよ。代わりなんかいくらでもいるとか言うなよ。俺にとったら山本の代わりなんかいない。君に価値なんか決めれない。沢田も、君が決めつけているだけで引き立て役だなんて思ってないはずだ。それに、俺にとったら君は、君は代えなんかきかない。」
思っていたことをいっきに吐き出す。息がつまりそうだ。彼女は相変わらず、光のない真っ黒な瞳で俺を見つめている。
「何?私を助けたいとか思ってんの?」
言われたことが当てはまっていて、また顔が赤くなる。彼女は口だけで笑った。

