「違う!やっぱり違うよ!君は、君が思ってるほど悪い子じゃない。」

「何もわからないくせに?」


今まで下を向いていたが、彼女の方を向いた。彼女は真っ直ぐ俺を見ている。真っ黒な瞳で。


「確かに分からないよ。君の生まれた歴史、今まで感じてきたこと、何一つ知らない。でも、分かろうとすることはできる。何で自分自身で自分の価値を決めるんだ?生きているものに価値なんか決めれない。凄く尊いんだ。」


「……分かるからよ。親に捨てられた私なんて、生まれてくる必要がなかった。友達?そんなの上辺だけじゃない。貴方の周りがどんな人たちは知らないし興味ない。私の周りは…嘘を言い続けて黒く固まってた。本音を言ってた子なんていない。私を含めてね。」