彼女は缶を捨てて俺の腕を引っ張り立たせた。二人でボックスに戻る。 なんか変な感じだ。彼女は、山本は、純粋なんだと思っていた。計算もしない。素直な女の子だと。 入る前に 「私ね、親に捨てられたんだ。」 そう言って扉を開けた。俺の視界は白かった。耳には、その一言が張り付いていた。