「あのさぁ、えっと……。教室で沢田が山本のお別れ会っていうかクラス会?提案したとき、沢田に怒ってなかった?」


彼女の方に視線を向けると、彼女も俺を見ていたようで目があった。恥ずかしくて、すぐ視線を離す。


「ふふ。よく見てるんだね。……綾香ってお調子者だしこういうの大好きだから、絶対にしないで!ってお願いしてたの。綾香も分かったって言ってくれたのに、結局やっちゃってさぁ。」


彼女は立ち上がり、少し離れた自販機まで歩き出した。そして続ける。


「文句言ったら、クラス会こみだし許して!って言われちゃった。本当はね、素直に嬉しかったんだ。私は、私の為に誰かが動くことが大嫌いなの。だから、クラス会メインだと思ってる。」


自販機で何か2本買っていた。その内の1本を俺に投げてきた。条件反射でそれをキャッチする。


「ナイスキャッチ。」