仕事が終わってからは すごく大変だった。 廊下を歩けばヒソヒソと 嫌な話し声が聞こえて 会社を出てからの電車内で 彼のファンに見つかって 「 家、教えてよ 」 と、睨まれて、 断っても後ろをついてくるから 仕方なく裏道に踏み込んだ。 「 ・・・・こっち? 」 ただでさえ入り組んでいて 覚えにくかった道。 裏道なんて迷うに決まっている。 でも・・・誰にも、家は知られたくない。 ピピッ────..