彼と住み始めて、
半年が過ぎた。




暮らしにもすっかり慣れて
一緒に出勤するのも
苦ではなくなった。




「 相変わらず、男からの視線が痛いな 」




会社に入ると、彼は上司モードに
切り替えてしまうので
いつものドSな自分を隠し
話し方と表情ががらっと変わる。




「 女の人からの視線が背中に刺さるんですが 」




あたしも社員モードに切り替えて
話している内容とは裏腹に
笑顔を作ってみせるけど




「 何笑ってるのよ~! 」




階段の途中まで来ると、
いつも待ち伏せをされていて
絵里がムッとした顔で飛び出してくる。