「 泣くなよ 」 和真は隣で優しく笑って あたしの涙を指で拭う。 「 お願いします 」 彼が一言、誰かに向けて 放った言葉。 合図とでも言うように その場は静まり返って 電気が消えた。 ”真っ暗”にはならない。 「 優奈、見て? 」 足元のキャンドルが それぞれの色を放っていた。 その光景は本当に、 「 結婚式みたいだろ 」 ”結婚式”みたい。