「 可愛いんですか?・・・アレ。 」
小声でボソッと呟いてるのに
あたしの耳にははっきりと
ソノコトバが聞こえてしまって
「 は? 」
愛想笑いを失った和真の表情は
固まっていた。
「 あっ・・いえ!そういえば
今度飲みにいきませんかぁ? 」
あたしに気付いてるのに
彼の裾をクイクイ引っ張って
”誘って”る彼女。
やめてって言いたいけど
会社だし、勤務中だし、
こんなところで喧嘩するわけにはいかない。
グッと拳を握った。
「 俺、彼女以外興味ないから
他あたってくれると嬉しいな。すごく 」
「 え? 」
「 じゃ、会議あるので 」
そう言って、1人出て行ってしまった。

