愛なんて知らない Ⅲ










「はい、楓」


私は赤い木の実を楓に渡した





「ありがとう」





大切な者を壊すその時までの幸せを





「えっ」





「愛美?」



楓が私を不思議そうに見る






「向こうにおいしそうな木の実見えたの

私とってくるから待ってて」ニコ





私はそう言い走った






「えっ?あ、うん??」



楓は混乱したような顔だった




私は奥の方へと走った