黒猫*溺愛シンドローム




「なっ…」



身体がカアッと熱くなるのがわかった。

何?ソレ…

まるでプロポーズじゃない。

この状況で、いきなり何でそんなこと……


うわぁっ。

どうしよう?私ってば、不覚にもドキドキしちゃってるよ…



「カリンのときもさ、」



……ん?



「カリンを飼うときも、
自分にそうやって誓いを立ててから、うちに連れてきたんだ。」



なんか、話が……



「1つの命を預かるわけだからね。それが“飼い主”の責任って言うか、義務だと思うから。」



……ちょっと待った!


確かに、言ってることは正しいよ?

ペットブームの昨今、
途中で投げ出す“飼い主”もいる中で、

若いのに素晴らしい信念だと思う。


でもさぁ…

ドキドキして損した。



「あのさ、「恋愛に関しても、同じだと思うんだ。」



文句を言ってやろうと思ったのに。

“王子様の主張”はまだ終わっていなかったらしい。



「俺は、風歩ちゃんを好きになったときから、

風歩ちゃんが俺を選んでくれるなら、一生、一緒にいようと思ってたよ?」