「……風歩ちゃん?」
「な…何よっ」
「お米とぐのに、なんで“泡立て器”?」
キッチンに立った私を、じーっと見守る王子様。
いつも以上に視線が痛いんですけど……
「まさか、お米を洗剤で洗う…とかしないよね?」
「馬鹿にしないでよっ。それくらい知ってるし!ただ…
冷たいから、素手でとぐのはヤだなぁって…」
「で、泡立て器と…ザル?」
「み…水切りに自信がないのよっ」
「………。」
な…何?今の、呆れたような表情はっ。
あ…ため息まで?
私だって、ちゃんとできるんだからね?
「よし。次は、野菜ね…」

