黒猫*溺愛シンドローム




「なっ…」



真っ赤になって口をパクパクさせる彼女。

いい加減、認めてくれないかなぁ?



「……ふはっ」



言葉をなくした彼女と見つめ合う中、



「おもしれーっ」



お兄さんは吹き出した。



「お前…歩だっけ?最高だな。」



振り返れば、肩を震わせて笑っていて。


俺、笑われるようなこと言ったっけ?

疑問が広がったけど…



「お前みたいなモノズキがいるとはなぁ。」


「へっ?」


「いいよ。今からでも“末長い”つき合いを始めてやるよ。」


「……?」


「風歩はお前にやる。
嫁にやるから、一生面倒みてやってくれ。」



そう言って、にっこり笑ったお兄さん。

……えっ?



「ホントはさ、
質問攻めにして、どんな男か調べ上げてやろうと思ってたんだけど…もういいや。」


手元の…例の分厚いノートをパラパラやりながら呟いて。



「そんだけ想われてりゃ、十分だろ。」



それをパタンと閉じた。

そして…



「合格っ。

今日から俺の“義弟”だ!」