黒猫*溺愛シンドローム





「浅海さんじゃなきゃダメって言うか、浅海さん以外は無理って言うか…」



うまく説明できないんだけど……

というより、もう理屈じゃないんだよね。

もはや、本能?



「だから…浅海さんが、
俺の、最初で最後の“彼女”なんです。」




――最初は、確かに軽い気持ちだった。

“カリンに似てる女の子”だから。

なんとなく気になって。

見てると楽しくて。

それだけで満足だった。



うちに帰れば、普通に猫のカリンがいるし。

カリンがいれば幸せだったから。


でも……




近づいてしまったから。



見て、聞いて、触れて…


五感全部でその存在を知ってしまったら、そんな想いは簡単に崩れてしまった。



彼女への“好き”は、
カリンへの“好き”とは全く違う。

別の感情なんだ。



だからもう、

カリンだけじゃダメなんだ。

彼女がいなくちゃ、俺は幸せにはなれない――









「お前、何したんだ?」