再び彼女を見れば…
「……ふぇ?」
まさに、“好物”を頬張っている真っ最中で。
俺に気付いて、びっくりしたように動きを止めた。
……可愛い。
でも、そっかー。
浅海さん、こういうのが好きなんだ?
与えれば(?)それなりに食べてくれるし、基本的に“食べてる”イメージがあんまりないから…
食べ物にこだわりとかないのかと思ってた。
新しい発見。
お兄さんに感謝だ。…あ。
「浅海さん、そこ…」
美味しそうに食べる彼女を微笑ましく見守る中、気づいたこと。
「ついてるよ?」
口元についた白い粉を、そっと指でぬぐってやった。
そして、それを舐めてみるも…味はしない、か。
「ちょっ…」
彼女が食べていたのは“いちご大福”。
豪快にかぶりついてたもんなぁ…
……ふっ。かーわいい。
カリンも…こういうこと、よくあるんだよね。
食べるのに夢中で、全然気づかないの。
だから、目が離せないんだよねぇ…
「……ハイ、そこまで!」

