黒猫*溺愛シンドローム





すぐにわかった。

だって、
色は違えど、彼女と同じ瞳だったから。


「おはようございます。はじめまして。」



まずはご挨拶、と思って。

すぐに自己紹介をしようと試みたものの……



「風見歩と申します。浅海さんとは「もしかして…」



簡単に遮られてしまった。


そして、じーっと。
さっきとは違う視線で。

上から下まで…全身を観察するみたいに俺を見て、



「お前、風歩の…?」



ピン、と。何かを閃いたような顔になった。

…かと思えば、



「うっわーっ!すげぇ…」



いきなり叫んだお兄さん。



「おいっ、風歩!」



くるっと、家の中へと振り返るや否や、

パタン、と。
玄関のドアが閉まって。



「……え?」



戸惑う暇もなく、遮断されてしまった俺。


……何?

もしかして、門前払い?

彼女に、会わせてもらえない…のかなぁ?


一抹の不安を覚えた、そんな時。



「なんなんだ?あの…


キラキラした生き物はっ!」



ドア越しにお兄さんの声が聞こえてきた。