黒猫*溺愛シンドローム





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――今朝。



いつもの時間に彼女を迎えに行って。

いつものように、部屋のインターホンを押した。


いくら鍵があるからって、勝手に開けるのはやっぱり気が引けるからね。


とりあえず、2~3回鳴らして。

数分待ってから、お邪魔する。


それがお決まりのパターンになっていたわけだけど……



「……え?」



チャイムの音が鳴り響くや否や、バタバタと足音が聞こえてきて。

ガチャリと鍵が開いた。

そして……


「ドチラサマ?」


すぐさま、ドアの向こうから顔を覗かせた“誰か”。


「……誰?」


俺を視界に捉えるなり、訝しげに眉をひそめた。


「あ…えっと…」


金色の髪。

青い瞳。


……うわぁ。


その奇抜な姿に、視線は釘づけ。

すごいなぁ…。


思わずじーっと見つめてしまった俺を、相手も負けじと見つめ返してきて。


俺より微妙に高い位置から降り注ぐ威圧感。


でも…




「…“お兄さん”ですか?」