黒猫*溺愛シンドローム





「ほら。猫耳と尻尾も買ってみた。」


私に服を押しつけて、カチューシュ型の黒い猫耳を勝手に付けて…


「おーっ!可愛い!これぞ“萌え”の文化だなっ」


手を叩いて喜ぶ兄。
……この人はっ。


「……ねぇ、お兄ちゃん?」

「ん?」

「お兄ちゃんって、海外を旅してたんだよね?」

「ああ。あ、パスポート見るか?スタンプすっげーたまったんだよ。」

「いや、いいから…」


私が聞きたいのはそこじゃない。

なんか、さっきから、話が脱線しまくってなかなか進まないよ。

忘れてたけど…
お兄ちゃんって、すっごく面倒な人だったんだよね。


「海外に行ってた人のおみやげが、何で秋葉原なの?」


お土産って言うのはさ、
普通、帰ってきてからじゃなくて、帰る前に買うものでしょ?


「なんで、ってお前、秋葉原は海外じゃ有名なんだぞ?」

「はっ?」

「日本と言えば“アキハバラ”。今や、京都を凌ぐ人気スポットなのに、行っておかなきゃ話になんないだろうが。」