黒猫*溺愛シンドローム




「あ…ありがとう。」


笑顔で受け取りつつも、くるみが明らかにがっかりしているのがわかる。

……お兄ちゃんって、センス悪いんだよなぁ。


「で、これが修!こっちはアメリカ土産だ。」


ポン、と。お兄ちゃんが修司に渡したのは……


「自由の女神…の貯金箱?」


「レトロでいいだろ?頑張って、貯めてくれ。」


「ありがと…」



満面の笑みのお兄ちゃんに対して、修ちゃんってば顔ひきつってるし…

うわぁ…可哀相に。



「……で、風歩のだけど、」


「えっ?」



私のもあるの?

正直、いらないんだけど……



「お前のは特別だぞ。なんせ、可愛い妹だからな。」



ご機嫌な様子で、取出したのは……



「じゃーん!」


「……はっ?」


「帰りに、秋葉原で買ってきた。お前に似合うだろうと思って。」


「なっ…」



お兄ちゃんが、得意気に広げたもの。それは……







「……メイド服?」