黒猫*溺愛シンドローム





「俺にフォークソングは似合わないだろ?」

「へっ…?」

「だから、途中で方向転換?ロックに魂をぶつけようかと思って。」

「あー…そっか。へぇ…」


修司の会話もそこで終了。

本人、ギャグじゃなくて、大真面目に言っちゃってるから怖い。

って言うか、そんな簡単にあのギター手放したんだ?

買ったときはさ、
絶対誰にも触らせないで、毎日抱いて寝てたくせに。


私もさんざん自慢された気がする…



「おー、そうだっ。
そういや、お前らに土産があったんだ!」


パッと思い出したのか、ガサゴソと自分のトランクを漁り始めたお兄ちゃん。


「えっ?お土産っ?」


途端に瞳を輝かせて、お兄ちゃんの隣にしゃがみ込むくるみ。

……なんてゲンキンな。



「いろんなとこに行ったんだけどさー、やっぱりポピュラーなやつがいいと思って……」

「あーちゃん、どこに行ってきたの?」

「んー?えーと……お!
くるみにはこれをやろう!パリの…」

「パリっ?」










「エッフェル塔の写真立て!」