「……ごめんね?」


ハッと我に返れば、申し訳なさそうに謝る王子様の顔があって。


「こんなにいっぱい付けちゃって……
慣れてないから、どうも加減がわかんなくて。」


言いながら、再び私の肌に触れる…って、おいっ。

コイツ、絶対に反省なんてしてないでしょ?

ムカッときたから、その手をバシッと振り払ってやった。


しかも“慣れてない”だぁ?

嘘だ、絶対!

あれは相当手慣れてるでしょ?

少なくとも“わざと”付けたに違いない。



「次からは、気をつけるからね?」


“次”…もあるの?



「やっぱり、目覚めのキスはいっぱいしたいから。」


「はあっ?」



……なんかもう、意味不明。わけわかんない。



「さ。とりあえず、早くご飯食べて。急がないと今日も遅刻だよ?」


時計を見れば……


優雅に朝食なんて食べてる場合じゃないじゃん!


コイツと“一緒に”遅刻なんてアリエナイ。

どんな噂になるかわかったもんじゃない。






「明日の朝は、和食にしようかな?」



……明日も来るの??