「何言って…んっ」



薄暗い部屋。

恐らく、密室。

そりゃ、私を“襲う”には絶好のポイントだよね?


ちょっと考えれば、すぐにわかりそうなものなのに。


私は、何回引っ掛かれば気が済むの??



「……っ」



重なった唇。

触れるだけのキスは、すぐに終わってしまったけど……


再び近づいてくる、綺麗なお顔。

今度はゆっくり。


逃げようとすれば逃げられるのに……



って、ちょっと!

私ってば、なんで目を閉じちゃってるの?


しかも、

なんで自分から顔を引き寄せてるの?

そこは押し返すところでしょう?



私の意志を無視して、勝手に動くこの身体。


深い深いキスにまで、なんで応えちゃってるの?


……うわぁ。ダメだ、私。


こういうことに、すっかり慣れちゃってる。


拒否するどころか、望んで受け入れてる…なんて。


気持ちよくて、ボーッとする…なんて―――



「……どうしよう。

浅海さんが可愛すぎて、キスだけじゃ止まんないや。」