黒猫*溺愛シンドローム





……は?間接キス??


「まだ、残ってるでしょ?
って、当たり前か。昨日の放課後だしね。」


ぽかーんとする私に、さりげなく手を伸ばしてきたかと思うと、


「どこだっけ…結構いっぱい付けちゃったんだよね」



かけ直したばかりのパジャマのボタンを外しはじめた。


「ちょっ…」


あまりにもスムーズな動きなもんだから、一瞬抵抗するのを忘れちゃったけど……


「なっ…」


振り払うよりも先に、がっちりと腕を掴まれて。

あっという間に自由がきかなくなってしまった私。


「あー…まずは、ここでしょ?」


すぐさま、王子様の指先が、私の首筋をなぞった。


「……っ」


びくっと震える身体。
ぞくっとする感覚。


朝っぱらから、何?


「あと、ここと…ここと、ここも?」


首から肩。

肩から胸元へ。

すーっと、流れるように触れられて。


いてもたってもいられなくなって、思わずぎゅっと目を閉じた。

そんな時。



「キスしたい、って思う場所は、昨日も今日も、やっぱり同じなんだよねぇ…」


耳に届いた王子の言葉。


昨日……?って、ああ!